旅行業法「取扱管理者と取引のルール」の練習問題と解説
旅行業法練習問題5問更新:2026-09-21
旅行業務取扱管理者の選任と職務、取引条件の説明と書面の交付、募集型企画旅行の広告に表示する事項、旅程管理。契約の前・契約のとき・旅行中という時系列で要点を整理し、練習問題5問で確かめられるようにしました。
この単元で問われること
登録を受けた旅行業者が、日々の取引で守らなければならないルールです。条文はばらばらに並んでいるように見えますが、旅行者から見た時系列に置き直すと一本の線になります。
- 契約の前:広告に決められた事項を表示する → 取引条件を説明する
- 契約のとき:契約書面を交付する
- 旅行中:旅程管理(円滑な実施のための措置)を行う
- その全体:旅行業務取扱管理者が管理・監督する
この順番で覚えておくと、「説明は契約の後でよいか」「広告に何を書くか」のような問題で、どの段階の話をしているのかがすぐ分かります。
選任は「営業所ごとに1人以上」
旅行業務取扱管理者は、旅行業者ごとではなく、営業所ごとに1人以上を選任します。「会社に1人いればよい」という選択肢は誤りです。
あわせて、次の2つがよく出ます。
- 選任していた者が欠けた営業所では、新たに選任するまで、旅行業務に関する契約を締結できない(「3か月以内なら締結できる」のような猶予はない)
- 旅行業者代理業者にも選任義務がある(代理だから不要、ではない)
欠けたときに契約を止める、という決まりは厳しく見えますが、管理・監督する人がいない営業所で取引を続けさせない、という趣旨です。趣旨から考えると「猶予期間がある」という選択肢は選ばなくなります。
職務は「管理・監督」。労務や人事は入らない
法令に定められた職務は、旅行業務の管理と監督に関する事項です。具体的には次のようなものです。
- 取引条件の説明に関する事項の管理及び監督
- 契約書面の交付に関する事項の管理及び監督
- 広告に関する事項の管理及び監督
- 企画旅行の円滑な実施のための措置に関する事項の管理及び監督
見てのとおり、並んでいるのはすべて「取引そのもの」に関わる仕事です。従業員の給与の決定のような労務管理・人事は、法定の職務に含まれません。
ここを取り違えると、「営業所の責任者だから何でもやる人」と覚えてしまい、選択肢を切れなくなります。管理者は営業所の長ではなく、旅行業務を法令どおりに進めさせる役割です。資格そのもの(3つの種類・仕事内容・試験の概要)は国内旅行業務取扱管理者とはにまとめています。
取引条件の説明は「締結前」。書面は承諾があれば電磁的方法でも
取引条件の説明は、契約を締結しようとするとき、つまり契約を結ぶ前に行います。「契約した後に説明すればよい」は誤りです。
説明にあたっては原則として書面を交付しますが、旅行者の承諾を得た場合は、電磁的方法によって情報を提供することもできます。したがって「いかなる場合も省略できる」も、「承諾があっても電磁的方法は使えない」も、どちらも誤りです。
説明は前、書面は原則交付、承諾があれば電磁的方法も可
この3点をひとまとまりで覚えておけば、言い回しを変えて出されても対応できます。
広告に表示する事項:会社の中の数字は入らない
募集型企画旅行の広告に表示しなければならない事項には、次のようなものがあります。
- 企画者の氏名または名称及び住所、並びに登録番号
- 旅行の目的地及び日程
- 旅程管理業務を行う者の同行の有無
- 旅行代金
- 最少催行人員
並べてみると、どれも「旅行者が申し込むかどうかを決めるために要る情報」です。逆に、企画者の資本金の額のような会社の内部の数字は、表示事項ではありません。判断に迷ったら、「これが無いと申し込めないか」を基準にしてください。
旅程管理:募集型と受注型に共通
旅行の内容を変更する必要が生じたときは、代替となるサービスの手配など、旅行を円滑に実施するために必要な措置を講じなければなりません。
ここで問われる点は3つです。
- 旅程管理の措置は募集型と受注型の企画旅行に共通(受注型は対象外、ではない)
- 旅程管理業務を行う者が必ず旅行に同行しなければならない、とは限らない
- 旅程管理業務を行う者には、研修の修了と実務の経験が必要(誰でもできる、ではない)
同行の有無は広告の表示事項にもなっています。「同行しないこともある。だから広告で知らせる」とつなげて覚えると、両方まとめて思い出せます。
練習問題(5問)
旅夢中のオリジナル問題です。過去の試験問題そのものではなく、試験の出題範囲にあわせて作っています。正解と解説は、自分で答えを決めてから開いてください。
問1旅行業務取扱管理者の選任
旅行業務取扱管理者の選任に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- ア.営業所ごとに、1人以上の旅行業務取扱管理者を選任しなければならない。
- イ.旅行業者ごとに1人を選任すれば足りる。
- ウ.選任していた者が欠けた場合でも、3月以内であれば旅行業務に関する契約を締結することができる。
- エ.旅行業者代理業者は、旅行業務取扱管理者を選任する必要がない。
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正解:ア
解説
旅行業務取扱管理者は営業所ごとに1人以上を選任します。選任していた者が欠けた営業所では、新たに選任するまで旅行業務に関する契約を締結できません。旅行業者代理業者にも選任義務があります。
AI解説(正解を選んだときの解説)
アが正しいのは、旅行業法の規定により、旅行業者等は営業所ごとに1人以上の旅行業務取扱管理者を選任しなければならないと定められているためです。営業所の規模や取扱内容にかかわらず、原則としてこの義務が課されます。
イは誤りです。選任は「旅行業者ごと」ではなく「営業所ごと」に必要であり、複数営業所を持つ場合はそれぞれに選任しなければなりません。
ウは誤りです。選任していた管理者が欠けた場合、猶予期間のようなものは認められておらず、新たに選任するまでその営業所では旅行業務に関する契約を締結することができません。
エは誤りです。旅行業者代理業者であっても旅行業務を取り扱う以上、営業所ごとに旅行業務取扱管理者を選任する義務があります。
あわせて、旅行業務取扱管理者になるには旅行業務取扱管理者試験に合格していることが必要である点も覚えておくとよいでしょう。
問2旅行業務取扱管理者の職務
旅行業務取扱管理者の職務として法令に定められているものを、次のうちからすべて選びなさい。
- ア.取引条件の説明に関する事項の管理及び監督
- イ.契約書面の交付に関する事項の管理及び監督
- ウ.広告に関する事項の管理及び監督
- エ.営業所の従業員の給与の決定
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正解:ア・イ・ウ
解説
管理者の職務は、取引条件の説明、契約書面の交付、広告、企画旅行の円滑な実施のための措置など、旅行業務の管理及び監督に関する事項です。給与の決定のような労務管理は法定の職務に含まれません。
AI解説(正解を選んだときの解説)
この問題は、旅行業務取扱管理者の法定職務として定められている業務管理事項と、そうでない一般的な労務管理事項とを区別できているかがポイントです。
アは、取引条件の説明が適正に行われているかを管理・監督する事項であり、法定の職務に含まれるため正しいです。イは、契約書面の交付が適切になされているかを管理・監督する事項であり、こちらも法定の職務に含まれるため正しいです。ウは、広告の表示内容などが法令に適合しているかを管理・監督する事項であり、法定の職務に含まれるため正しいです。エは、従業員の給与決定という人事労務上の事項であり、旅行業務の適正な実施を確保するための管理者の職務とは性質が異なるため誤りです。
あわせて、企画旅行の円滑な実施のための措置や苦情処理に関する事項の管理・監督なども法定職務に含まれる点を押さえておくとよいでしょう。
問3取引条件の説明
取引条件の説明に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- ア.旅行者と契約を締結しようとするときは、あらかじめ取引条件について説明しなければならない。
- イ.取引条件の説明は、契約を締結した後に行えばよい。
- ウ.取引条件を記載した書面の交付は、いかなる場合も省略することができる。
- エ.旅行者の承諾があっても、電磁的方法により情報を提供することはできない。
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正解:ア
解説
取引条件の説明は契約を締結しようとするとき、すなわち締結前に行います。原則として書面を交付しますが、旅行者の承諾を得た場合は電磁的方法により提供することもできます。
AI解説(正解を選んだときの解説)
アが正しいのは、旅行業者等は旅行者と契約を締結しようとするとき、つまり契約締結前にあらかじめ取引条件について説明しなければならないと定められているためです。契約前の説明によって旅行者が内容を理解した上で契約するかどうかを判断できるようにする趣旨です。
イは誤りです。取引条件の説明は契約締結後では意味がなく、契約締結前に行う必要があります。
ウは誤りです。取引条件を記載した書面の交付は原則として必要であり、いかなる場合でも省略できるわけではありません。
エは誤りです。旅行者の承諾を得た場合には、書面交付に代えて電磁的方法により情報提供することが認められています。
あわせて、取引条件説明書面と契約書面は別物であり、それぞれ交付・説明のタイミングや内容が異なる点も整理して覚えておくとよいです。
問4募集型企画旅行の広告に表示する事項
募集型企画旅行の広告に表示しなければならない事項を、次のうちからすべて選びなさい。
- ア.企画者の氏名または名称及び住所並びに登録番号
- イ.旅行の目的地及び日程
- ウ.旅程管理業務を行う者の同行の有無
- エ.企画者の資本金の額
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正解:ア・イ・ウ
解説
広告には、企画者の氏名等と登録番号、旅行の目的地及び日程、旅程管理業務を行う者の同行の有無のほか、旅行代金や最少催行人員などを表示します。資本金の額は表示事項とされていません。
AI解説(正解を選んだときの解説)
全体の選び方として、広告表示義務の対象となる事項をすべて過不足なく拾えており、資本金のような表示義務のない項目を除外できている点がよくできています。
各選択肢について見ると、アは企画者の氏名または名称、住所、登録番号が旅行業法施行規則で定める広告表示事項に該当するため正しいです。イも旅行の目的地及び日程が募集型企画旅行の内容を示す基本情報として表示義務の対象に含まれるため正しいです。ウについても、旅程管理業務を行う者の同行の有無は旅行者が旅行内容を判断する重要な要素であり、表示義務事項とされているため正しいです。一方エは、資本金の額は旅行業者の財務情報であり、広告に表示すべき事項として規定と異なりますので誤りです。
関連知識として、広告表示事項には旅行代金、最少催行人員、旅行開始日なども含まれるため、まとめて整理して覚えておくとよいでしょう。
問5企画旅行の円滑な実施のための措置(旅程管理)
企画旅行の円滑な実施のための措置(旅程管理)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- ア.旅行の内容を変更する必要が生じたときは、代替となるサービスの手配など、必要な措置を講じなければならない。
- イ.旅程管理のための措置は、受注型企画旅行については求められない。
- ウ.旅程管理業務を行う者は、必ず旅行に同行しなければならない。
- エ.旅程管理業務は、研修の修了や実務の経験がなくても行うことができる。
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正解:ア
解説
旅行の内容を変更する必要が生じた場合には、代替サービスの手配など円滑な実施のための措置が求められます。旅程管理の措置は募集型と受注型の企画旅行に共通で、業務を行う者には研修の修了と実務の経験が必要です。
AI解説(正解を選んだときの解説)
アは正しい内容です。旅行の内容を変更する必要が生じたときに、旅行業者が代替サービスの手配など必要な措置を講じることは、旅程管理業務として求められている対応です。
イは誤りです。旅程管理のための措置は、募集型企画旅行だけでなく受注型企画旅行についても共通して求められています。
ウは誤りです。旅程管理業務を行う者が必ず旅行に同行しなければならないとは限らず、同行しない形での旅程管理も認められています。
エは誤りです。旅程管理業務を行うためには、研修の修了や実務の経験といった要件が必要とされています。
関連して、旅程管理業務は企画旅行の種類にかかわらず旅行の安全かつ円滑な実施を確保するために課される義務であり、その担当者には一定の資格要件が求められる点を押さえておくとよいでしょう。
「AI解説」は、旅夢中のアプリでこの問題に正解したときに表示される解説です。AIが作成したもので、誤りが含まれる可能性があります。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。
出典
この解説の内容は、次のページで確かめました。制度は変わることがあるので、受験の手続きや最新の内容は必ず公式の案内でご確認ください。
- 観光庁「旅行業務取扱管理者」(2026-09-21 確認)
- 観光庁「旅行業法概要」(2026-09-21 確認)