旅行業法「登録制度」の練習問題と解説
旅行業法練習問題5問更新:2026-09-21
旅行業法の目的、登録の種別と扱える業務の範囲、登録の有効期間、登録拒否事由、営業保証金と弁済業務保証金。国内旅行業務取扱管理者試験で問われる登録制度の要点を整理し、練習問題5問で確かめられるようにしました。
この単元で問われること
旅行業法の前半は、「誰が旅行業を営めるか」を決める仕組みです。登録を受ける → 種別に応じた範囲の業務を扱う → 5年ごとに更新する → 問題のある者は登録させない → お金の裏づけ(営業保証金)を用意させる、という順に並んでいます。
試験では、条文をそのまま聞く形はほとんど出ません。数字を入れ替える、対象を1つだけ違うものにする、「すべて選びなさい」で正しいものの中に1つだけ誤りを混ぜる、といった形で出されます。つまり、覚えるべきは条文の文章ではなく、「どの数字が何に付いているか」と「何が対象から外れるか」の2つです。
法律の目的は3つ。業者の利益は入らない
旅行業法第1条が掲げる目的は、次の3つです。
- 旅行業務に関する取引の公正の維持
- 旅行の安全の確保
- 旅行者の利便の増進
間違えやすいのは、登録制度の実施と業務の適正な運営の確保です。これらは条文に書かれていますが、目的そのものではなく、目的を達成するための「手段」として書かれています。
そして、選択肢に「旅行業を営む者の経営の安定」のような業者側の利益が並んでいたら、それが誤りです。この法律が守ろうとしているのは旅行者であって、業者ではありません。この一点を押さえておくと、目的の問題はほぼ落とさなくなります。
登録の種別と、扱える業務の範囲
旅行業の登録は種別に分かれていて、扱える業務の範囲が変わります。試験で問われるのは、ほぼ次の一点です。
海外の募集型企画旅行を実施できるのは、第1種旅行業者だけ
たとえば第2種旅行業者は、実施できないのが海外の募集型企画旅行だけで、国内の募集型企画旅行、海外・国内の受注型企画旅行、手配旅行はいずれも扱えます。「第2種だから海外は全部だめ」と早合点すると落とします。
| 種別 | 募集型(海外) | 募集型(国内) | 受注型・手配 |
|---|---|---|---|
| 第1種 | できる | できる | できる |
| 第2種 | できない | できる | できる |
| 第3種 | できない | 一定の区域内のみ | できる |
| 地域限定 | できない | 一定の区域内のみ | 一定の区域内の国内のみ |
※「一定の区域内」は、営業所のある市町村など、法令で定められた範囲を指します。区域の細かい条件は案内が変わることがあるため、受験の際は下の出典で確かめてください。
有効期間は5年。ただし全部ではない
旅行業の登録の有効期間は、登録の日から5年です。引き続き営もうとするときは、更新登録を受けなければなりません。
ここでの引っかけは、「5年」という数字そのものではなく、5年が付かないものがあることです。旅行業者代理業と旅行サービス手配業の登録には、有効期間の定めがありません。
「旅行業=5年」「代理業・手配業=定めなし」。この対比の形で覚えておくと、どちらを聞かれても答えられます。
登録拒否事由:5年しばりが2つ
登録を受けられない者として、試験によく出るのは次の3つです。
- 旅行業の登録を取り消され、その取消しの日から5年を経過していない者
- 拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わった日から5年を経過していない者
- 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、その法定代理人が登録拒否事由に該当する者
5年という数字が2回出てくるのがこの単元の特徴です。登録の有効期間も5年なので、数字だけで覚えると混ざります。「何から数えて5年か」(取消しの日から/刑の執行を終わった日から)まで一緒に覚えてください。
もう一つ、選択肢に「旅行業務に従事した経験がない者」が並ぶことがあります。これは登録拒否事由ではありません。実務経験の有無は、登録できるかどうかとは関係がないためです。
営業保証金と弁済業務保証金:限度額の引っかけ
旅行業者は、旅行者への債務の履行を担保するために営業保証金を供託します。ただし、旅行業協会に加入した保証社員は、営業保証金を供託する必要がありません。そのかわり、協会に弁済業務保証金分担金を納付します。
- 分担金の額は、営業保証金の額の5分の1
- 旅行業協会は、納付を受けた分担金の額に相当する額を供託所に供託する
そして、この単元で最もよく狙われるのが弁済の限度額です。
旅行者が弁済を受けられる限度額は、その保証社員が「保証社員でないとしたら供託すべき営業保証金の額」に相当する額。納付した分担金と同額ではない
分担金は営業保証金の5分の1ですが、旅行者が受け取れる限度は5分の1ではなく、営業保証金と同じ水準です。協会に入っても旅行者の保護は薄くならない、という制度の趣旨をそのまま表しています。「分担金と同額」と書かれていたら誤り、と覚えてください。
練習問題(5問)
旅夢中のオリジナル問題です。過去の試験問題そのものではなく、試験の出題範囲にあわせて作っています。正解と解説は、自分で答えを決めてから開いてください。
問1旅行業法の目的(第1条)
旅行業法第1条に定める目的として、同条に規定されていないものを1つ選びなさい。
- ア.旅行業務に関する取引の公正の維持
- イ.旅行の安全の確保
- ウ.旅行者の利便の増進
- エ.旅行業を営む者の経営の安定
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正解:エ
解説
法第1条が掲げる目的は、取引の公正の維持、旅行の安全の確保、旅行者の利便の増進の3つです。経営の安定は目的として規定されていません。登録制度の実施と業務の適正な運営の確保は、目的を達成するための手段です。
AI解説(正解を選んだときの解説)
旅行業法第1条は、旅行業等を営む者について登録制度を実施し、その業務の適正な運営を確保するとともに、旅行業務に関する取引の公正の維持、旅行の安全の確保及び旅行者の利便の増進を図ることを目的としています。エの旅行業を営む者の経営の安定は、この条文には掲げられておらず、正解となります。
アは旅行業務に関する取引の公正の維持であり、第1条に明記された目的の一つなので誤りです。イは旅行の安全の確保であり、これも第1条に明記された目的の一つなので誤りです。ウは旅行者の利便の増進であり、同様に第1条に明記された目的の一つなので誤りです。
あわせて、登録制度の実施と業務の適正な運営の確保は、これらの目的を達成するための手段として位置づけられている点も押さえておくとよいです。
問2第2種旅行業者が取り扱える業務
第2種旅行業者が取り扱うことができる業務をすべて選びなさい。
- ア.国内の募集型企画旅行の実施
- イ.海外の募集型企画旅行の実施
- ウ.海外の受注型企画旅行の実施
- エ.海外の手配旅行の取扱い
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正解:ア・ウ・エ
解説
第2種旅行業者が実施できないのは海外の募集型企画旅行のみです。国内の募集型企画旅行、海外・国内の受注型企画旅行、手配旅行はいずれも取り扱えます。海外の募集型企画旅行を実施できるのは第1種旅行業者だけです。
AI解説(正解を選んだときの解説)
この問題は取り扱える業務をすべて選ぶ形式で、第2種旅行業者に唯一禁止されている「海外の募集型企画旅行の実施」を含むイを除外できたかがポイントになります。アは国内の募集型企画旅行であり、第2種旅行業者でも実施できるため正しい選択肢です。イは海外の募集型企画旅行の実施であり、これは第1種旅行業者にのみ認められた業務のため誤りです。ウは海外の受注型企画旅行の実施であり、受注型企画旅行は国内・海外を問わず第2種旅行業者でも扱えるため正しい選択肢です。エは海外の手配旅行の取扱いであり、手配旅行も国内・海外とも制限なく扱えるため正しい選択肢です。あわせて、第3種旅行業者は募集型企画旅行の実施自体に地域制限がある点も整理して覚えておくとよいでしょう。
問3旅行業の登録の有効期間
旅行業の登録の有効期間として、正しいものを1つ選びなさい。
- ア.登録の日から3年
- イ.登録の日から5年
- ウ.登録の日から7年
- エ.有効期間の定めはない
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正解:イ
解説
旅行業の登録の有効期間は登録の日から5年で、引き続き営もうとする場合は更新登録を受ける必要があります。これに対し、旅行業者代理業と旅行サービス手配業の登録には有効期間の定めがありません。
AI解説(正解を選んだときの解説)
旅行業の登録の有効期間は登録の日から5年と定められており、引き続き旅行業を営もうとする場合には有効期間満了前に更新登録を受ける必要があります。したがってイが正解です。
アは3年としていますが、旅行業の登録の有効期間として規定と異なります。ウは7年としていますが、こちらも規定と異なり誤りです。エは有効期間の定めがないとしていますが、これは旅行業ではなく旅行業者代理業や旅行サービス手配業に当てはまる内容であり、旅行業には該当しません。
あわせて、更新登録を受けようとするときは有効期間満了の日の2ヶ月前までに申請する必要がある点も押さえておくとよいでしょう。
問4旅行業の登録を受けられない者(登録拒否事由)
旅行業の登録を受けることができない者(登録拒否事由に該当する者)を、次のうちからすべて選びなさい。
- ア.旅行業の登録を取り消され、その取消しの日から5年を経過していない者
- イ.拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わった日から5年を経過していない者
- ウ.営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、その法定代理人が登録拒否事由に該当する者
- エ.旅行業務に従事した経験がない者
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正解:ア・イ・ウ
解説
登録の取消しから5年、拘禁刑以上の刑の執行終了から5年を経過しない者は登録を受けられません。法定代理人が拒否事由に該当する未成年者も同様です。実務経験の有無は登録拒否事由とされていません。
AI解説(正解を選んだときの解説)
ア・イ・ウをすべて選び、エを除外した選び方が正しいです。
アは旅行業の登録を取り消された日から5年を経過していない者であり、登録拒否事由に該当するため正しい選択肢です。イは拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わった日から5年を経過していない者であり、これも登録拒否事由に該当するため正しい選択肢です。ウは営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者について、その法定代理人が登録拒否事由に該当する場合は本人も登録を受けられないとされているため正しい選択肢です。エは旅行業務に従事した経験の有無は登録拒否事由として定められていないため、誤りの選択肢です。
関連知識として、登録拒否事由には拘禁刑以上の刑の執行猶予期間中の者や、旅行業務に関し不正な行為をした者なども含まれるため、まとめて整理して覚えておくとよいです。
問5旅行業協会の弁済業務保証金制度
旅行業協会の弁済業務保証金制度に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。
- ア.保証社員は、営業保証金を供託する必要がない。
- イ.弁済業務保証金分担金の額は、営業保証金の額の5分の1である。
- ウ.旅行者が弁済を受けることができる限度額は、その保証社員が納付した分担金の額と同額である。
- エ.旅行業協会は、納付を受けた分担金の額に相当する額を供託所に供託する。
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正解:ウ
解説
弁済を受けられる限度額は、その保証社員が保証社員でないとしたら供託すべき営業保証金の額に相当する額であり、分担金と同額ではありません。分担金が営業保証金の5分の1である点などは正しい記述です。
AI解説(正解を選んだときの解説)
ウが誤りである理由は、旅行者が弁済を受けられる限度額が、実際に納付した分担金の額ではなく、その保証社員が保証社員でないとしたら供託すべき営業保証金の額に相当する額とされているためです。分担金は営業保証金の5分の1であり金額が異なるため、両者を同額とする記述は誤りです。
残りの選択肢についてです。アは正しい記述です。旅行業協会の保証社員となった旅行業者は、営業保証金を供託する義務を免除され、代わりに弁済業務保証金分担金を協会に納付する仕組みになっています。イも正しい記述です。分担金の額は、当該旅行業者が供託すべき営業保証金の額の5分の1と定められています。エも正しい記述です。旅行業協会は保証社員から受け取った分担金に相当する額を、弁済業務保証金として国の指定する供託所に供託する義務を負っています。
関連知識として、旅行者が弁済を受ける権利を有する場合は、あらかじめ旅行業協会の認証を受ける必要がある点も押さえておきましょう。
「AI解説」は、旅夢中のアプリでこの問題に正解したときに表示される解説です。AIが作成したもので、誤りが含まれる可能性があります。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。
出典
この解説の内容は、次のページで確かめました。制度は変わることがあるので、受験の手続きや最新の内容は必ず公式の案内でご確認ください。
- 観光庁「旅行業法概要」(2026-09-21 確認)
- 全国旅行業協会「国内旅行業務取扱管理者試験とは」(2026-09-21 確認)