標準旅行業約款「募集型企画旅行」の練習問題と解説

約款練習問題5更新:2026-09-21

特別補償、旅程保証(変更補償金)、旅行者による解除と取消料、最少催行人員に達しないときの通知期限、契約内容の変更。募集型企画旅行の約款で問われる要点を、混同しやすい制度どうしの違いとあわせて整理し、練習問題5問を付けました。

この単元で問われること

標準旅行業約款の中心が、募集型企画旅行です。旅行業者があらかじめ計画を作って参加者を募集する形なので、旅行者を手厚く守るための制度が、この契約にだけ用意されています。

試験で差がつくのは、よく似た3つの制度を区別できるかどうかです。特別補償・旅程保証(変更補償金)・損害賠償は、どれも「旅行業者がお金を払う」場面ですが、払う理由がまったく違います。

そして、これらは企画旅行契約に固有の制度で、手配旅行契約には適用されません。この線引きは繰り返し出ます。手配旅行のほうは手配旅行と運送・宿泊で扱っています。

特別補償:責任の有無を問わない

特別補償は、旅行業者に責任があるかどうかにかかわらず、旅行者が一定の損害を受けたときに所定の補償金または見舞金を支払う制度です。

  • 旅行業者の責任の有無を問わない
  • 国内旅行の死亡補償金は、旅行者1名につき1,500万円
  • 旅行者の携帯品に生じた損害も、所定の限度額の範囲で補償される
  • 企画旅行契約にのみ適用(手配旅行契約には適用されない)

「責任がなくても払う」という点が、この制度のいちばんの特徴です。ここを押さえておくと、次の旅程保証との違いがはっきりします。

旅程保証:原因を問う。ここが特別補償との分かれ目

旅程保証は、契約内容に重要な変更が生じたときに変更補償金を支払う制度です。旅行業者の故意または過失の有無を問わずに支払われる点は、特別補償と同じです。

ただし、こちらには例外があります。

天災地変や、運送・宿泊機関のサービス提供の中止など、旅行業者の関与し得ない事由による変更には、変更補償金は支払われない

つまり、特別補償は原因を問わないのに対し、旅程保証は原因を問います。この違いがそのまま出題されるので、次の形で覚えてください。

  • 特別補償=けがや携帯品の損害。原因を問わず払う
  • 旅程保証=契約内容の重要な変更。天災地変など関与し得ない事由なら払わない

あわせて、変更補償金には限度額があり、1回の旅行につき旅行代金に一定の率を乗じた額を超えません。また、旅行業者が損害賠償責任を負うことが明らかになった場合、支払済みの変更補償金は賠償金の一部とみなされます(二重取りにはならない)。

旅行者からの解除:いつでもできる。取消料は時期による

旅行者は、所定の取消料を支払えば、いつでも契約を解除できます。旅行業者の承諾は必要ありません。

  • 解除に旅行業者の承諾は要らない
  • 取消料の額は旅行開始日までの日数に応じて定められている(時期にかかわらず一律、ではない)
  • 旅行開始後に解除した場合も、所定の額を負担する(開始後は解除できない、ではない)

「いつでも解除できる」と「無料で解除できる」は別の話です。選択肢を読むときは、解除できるかどうかと、いくら払うかを分けて読んでください。

最少催行人員に達しないとき:国内は13日目

参加者が最少催行人員に達しないことを理由に、旅行業者が旅行開始前に契約を解除する場合は、旅行者にあらかじめ通知しなければなりません。国内の募集型企画旅行の期限は次のとおりです。

旅行開始日の前日から起算してさかのぼって13日目に当たる日より前(日帰り旅行は3日目に当たる日より前)

数え方は「前日から起算してさかのぼって」です。旅行開始日からではありません。直前や当日の通知は認められないので、「前日まで」「当日まで」という選択肢は誤りになります。

最少催行人員は、広告に表示しなければならない事項でもあります。募集の段階で人数の条件を知らせ、集まらなければ期限までに知らせる、という一続きの決まりです。

契約内容の変更:やむを得ないときは変更できる

天災地変、運送機関の事故、その他の旅行業者の関与し得ない事由が生じた場合に、旅行の安全かつ円滑な実施を図るためやむを得ないときは、旅行業者は契約内容を変更することがあります。

  • 旅行者全員の同意を常に得なければならない、ということはない
  • 変更に伴って旅行代金が変わる場合もある(一切変更できない、ではない)
  • 旅行開始後に変更することもある

変更そのものは認められている一方で、重要な変更が生じれば旅程保証の対象になります。ただし、その変更の原因が天災地変など関与し得ない事由であれば、変更補償金は支払われません。この単元と旅程保証は、必ずセットで読み直してください。

練習問題(5問)

旅夢中のオリジナル問題です。過去の試験問題そのものではなく、試験の出題範囲にあわせて作っています。正解と解説は、自分で答えを決めてから開いてください。

1募集型企画旅行の特別補償

募集型企画旅行における特別補償に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。

  • 旅行業者に責任があるかどうかにかかわらず、所定の補償金または見舞金が支払われる。
  • 旅行者の携帯品に生じた損害についても、所定の限度額の範囲で補償金が支払われる。
  • 国内旅行における死亡補償金の額は、旅行者1名につき1,500万円である。
  • 手配旅行契約にも適用される。
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正解:ア・イ・ウ

解説

特別補償は旅行業者の責任の有無を問わずに支払われる制度で、企画旅行契約にのみ適用されます。国内旅行の死亡補償金は1,500万円で、携帯品の損害も限度額の範囲で補償されます。

AI解説(正解を選んだときの解説)

ア・イ・ウを選び、エを外した選び方が正しく、特別補償制度の趣旨と適用範囲を正確に把握できています。

アは正しいです。特別補償は旅行業者に過失があったかどうかを問わず、契約上定められた事故が生じた場合に一定額の補償金・見舞金を支払う制度だからです。イも正しく、旅行者の身体に生じた損害だけでなく、携帯品の損害についても所定の限度額の範囲内で補償金が支払われます。ウも正しく、国内旅行における死亡補償金の額は旅行者1名につき1,500万円と定められています。

一方エは誤りです。特別補償規程が適用されるのは募集型・受注型を含む企画旅行契約に限られ、手配旅行契約には適用されません。手配旅行では旅行業者は手配の代理的立場にとどまり、特別補償のような結果責任的な保険的制度は組み込まれていないためです。

関連して、特別補償は旅行業者に過失がある場合は損害賠償と補償金の調整規定があり、両方を無条件に重複して受け取れるわけではない点も覚えておくとよいでしょう。

2旅程保証と変更補償金

旅程保証(変更補償金)に関する次の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

  • 契約内容の重要な変更が生じた場合、旅行業者の故意または過失の有無を問わず支払われる。
  • 変更補償金の額には限度があり、1回の旅行につき旅行代金に一定の率を乗じた額を超えない。
  • 天災地変により契約内容の変更が生じた場合にも、変更補償金が支払われる。
  • 旅行業者が損害賠償責任を負うことが明らかになった場合、支払済みの変更補償金は賠償金の一部とみなされる。
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正解:

解説

天災地変や運送・宿泊機関のサービス提供の中止など、旅行業者の関与し得ない事由による変更には変更補償金は支払われません。故意過失を問わない点や限度額がある点は正しい記述です。

AI解説(正解を選んだときの解説)

ウが誤りである理由は、変更補償金制度が旅行業者の故意過失の有無に関わらず支払われる無過失責任的な補償である一方で、天災地変、戦乱、暴動、運送・宿泊機関のサービス提供の中止、官公署の命令などいわゆる免責事由に該当する場合には支払対象から除外されるためです。天災地変はまさにこの免責事由に該当するため、補償金は支払われません。

ア、イ、エはいずれも正しい記述です。アは旅行業者に過失がなくても契約内容の重要な変更があれば支払われるという旅程保証制度の基本的な性質を示しています。イは1回の旅行について旅行代金に規定の率を乗じた額を超えないという限度額の存在を示しており、規定と合致します。エは変更補償金が支払われた後に旅行業者の損害賠償責任が確定した場合、その補償金は賠償金の一部として充当されるという調整規定を示しています。

関連して、変更補償金の対象となる契約内容の重要な変更事由には、旅行日程の変更、契約書に記載した旅行サービスの内容変更などがあり、免責事由との区別を整理しておくと理解が深まります。

3募集型企画旅行契約の旅行者による解除

募集型企画旅行契約の旅行者による解除に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • 旅行者は、いつでも所定の取消料を支払って契約を解除することができる。
  • 旅行開始後は、いかなる場合も契約を解除することができない。
  • 旅行者が契約を解除するには、旅行業者の承諾を得なければならない。
  • 取消料の額は、解除の時期にかかわらず一律である。
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正解:

解説

旅行者はいつでも所定の取消料を支払って解除できます。取消料は旅行開始日までの日数に応じて定められており、旅行開始後に解除した場合も所定の額を負担することになります。

AI解説(正解を選んだときの解説)

アが正しいのは、募集型企画旅行契約において旅行者にはいつでも契約を解除する権利が認められており、旅行開始日までの日数に応じて定められた所定の取消料を支払うことで解除できるためです。

イは誤りです。旅行開始後であっても旅行者は契約を解除することができ、いかなる場合も解除できないというのは正しくありません。ウも誤りです。旅行者による解除は旅行者の意思で行うことができ、旅行業者の承諾を必要とするものではありません。エも誤りです。取消料の額は解除の時期によって異なり、一律に定められているわけではありません。

あわせて、取消料は旅行開始前の解除だけでなく、旅行開始後の解除についても所定の額が定められている点を覚えておくとよいでしょう。

4最少催行人員に達しないときの解除の通知期限

国内の募集型企画旅行において、参加者が最少催行人員に達しないことを理由に旅行業者が旅行開始前に契約を解除する場合の通知期限として、正しいものを1つ選びなさい。

  • 旅行開始日の前日から起算してさかのぼって13日目に当たる日より前(日帰り旅行の場合は3日目に当たる日より前)
  • 旅行開始日の前日まで
  • 旅行開始日の当日まで
  • 通知は不要である
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正解:

解説

国内旅行では、旅行開始日の前日から起算してさかのぼって13日目に当たる日より前までに通知する必要があります。日帰り旅行の場合は3日目に当たる日より前で、直前や当日の通知は認められません。

AI解説(正解を選んだときの解説)

アが正しい理由は、標準旅行業約款において、募集型企画旅行を最少催行人員未達を理由に解除する場合、旅行業者は旅行開始日の前日から起算してさかのぼって13日目に当たる日より前に旅行者に通知しなければならないと定められているためです。日帰り旅行の場合はこの期間が3日目に当たる日より前と短縮される点も規定どおりです。

イは旅行開始日の前日までとしており、規定より通知期限が遅く、旅行者への準備期間確保という趣旨に反するため誤りです。ウは旅行開始日当日までとしており、さらに通知が遅く、実務上も旅行者に大きな不利益を与えるため認められません。エは通知が不要とする内容ですが、約款上、契約解除には必ず事前通知が義務付けられているため誤りです。

あわせて、通知期限の起算は旅行開始日の「前日」から数える点、宿泊を伴う旅行と日帰り旅行で日数が異なる点を整理して覚えておくとよいでしょう。

5募集型企画旅行の契約内容の変更

募集型企画旅行における契約内容の変更に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • 天災地変等、旅行業者の関与し得ない事由が生じた場合、旅行業者は契約内容を変更することがある。
  • 契約内容の変更には、常に旅行者全員の同意を得なければならない。
  • 契約内容を変更しても、旅行代金を変更することは一切できない。
  • 旅行開始後は、契約内容を変更することができない。
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正解:

解説

天災地変や運送機関の事故など旅行業者の関与し得ない事由により、安全かつ円滑な実施を図るためやむを得ないときは契約内容を変更できます。変更に伴い旅行代金が変わる場合もあります。

AI解説(正解を選んだときの解説)

アは、天災地変や運送機関の事故など旅行業者が関与できない事由により、旅行の安全かつ円滑な実施を図るためやむを得ない場合には、旅行業者が契約内容を変更できるとされているため正しい記述です。

イは誤りです。契約内容の変更は、天災地変などやむを得ない事由がある場合には旅行者の同意を逐一得なくても行えるものであり、常に全員の同意が必要というわけではありません。

ウは誤りです。契約内容を変更した結果、手配内容やサービス内容が変わることで旅行代金の増減が生じる場合があり、一切変更できないというのは誤りです。

エは誤りです。旅行開始後であっても、天災地変等のやむを得ない事由があれば契約内容を変更することがあります。

あわせて、契約内容の変更に伴い旅行代金が増減する場合、旅行業者はその変更の理由と内容を旅行者にできる限り速やかに説明する義務がある点も押さえておくとよいでしょう。

「AI解説」は、旅夢中のアプリでこの問題に正解したときに表示される解説です。AIが作成したもので、誤りが含まれる可能性があります。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。

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