国内旅行業務取扱管理者とは?仕事内容と資格でできること
公開:2026-09-12
国内旅行業務取扱管理者は、旅行業法にもとづく国家資格です。営業所ごとに1人以上を選任する決まり、法律で定められた職務、総合・地域限定との違い、試験の概要を、公式情報の出典つきでまとめました。
国内旅行業務取扱管理者とは
国内旅行業務取扱管理者は、旅行業法にもとづく国家資格です。旅行業者と旅行業者代理業者は、営業所ごとに1人以上の旅行業務取扱管理者を選任し、その営業所の旅行業務について、取引条件がはっきりしているか、旅行のサービスが確実に提供されるかなど、取引の公正・旅行の安全・旅行者の利便を確保するために必要な事項の管理と監督をさせなければなりません。
言いかえると、旅行の取引を決まりどおりに進めるための責任者です。選任された人がいない営業所では、旅行業務を取り扱えません。
試験は、観光庁長官の試験事務代行機関として、一般社団法人全国旅行業協会(ANTA)が実施しています。
3つの種類と、国内で扱える範囲
旅行業務取扱管理者の資格は3種類あり、扱える旅行業務の範囲が違います。
- 総合旅行業務取扱管理者:海外と国内の両方の旅行業務を扱えます。海外旅行を扱う営業所には、この資格が必要です。
- 国内旅行業務取扱管理者:国内の旅行業務を扱えます。国内旅行だけを扱う営業所は、この資格で足ります。
- 地域限定旅行業務取扱管理者:主たる営業所のある市町村と、その隣接市町村までの範囲の旅行業務を扱えます。
国内に合格しておくと、あとから総合を受けるときに有利になります。国内の試験に合格した人は、次年度以降の総合試験で「旅行業法及びこれに基づく命令」と「国内旅行実務」の2科目が免除されます。
仕事内容(法律で決まっている職務)
旅行業務取扱管理者が管理・監督する事務は、次の10項目と決められています。
- 旅行に関する計画の作成
- 旅行業務の取扱料金の掲示
- 旅行業約款の掲示と備置き
- 取引条件の説明
- 契約書面の交付
- 企画旅行の広告
- 運送などのサービスが確実に提供されるようにするなど、企画旅行を円滑に実施するための措置
- 旅行に関する苦情の処理
- 契約を結んだ年月日・相手方など、契約の内容にかかわる重要な事項の記録、または関係書類の保管
- そのほか、取引の公正・旅行の安全・旅行者の利便を確保するために必要な事項として観光庁長官が定めるもの
日々の仕事にあてはめると、広告やパンフレットの表示が決まりに合っているかを見る、申込みのときの説明と渡す書面の内容を確かめる、苦情への対応を取りまとめる、といった役割になります。
どんなときに必要になるか
旅行業を営むには、登録を受ける必要があります。登録の区分は、第1種・第2種・第3種・地域限定旅行業・旅行業者代理業・旅行サービス手配業に分かれ、第1種は観光庁長官、そのほかは都道府県知事が登録します。
どの区分でも、営業所ごとに旅行業務取扱管理者を選任することが必要です。旅行会社に勤めていて営業所を任されるとき、自分で旅行業を始めるとき、地域の旅行を扱う事業を立ち上げるときに、この資格が必要になります。
登録には、このほかに営業保証金の供託などの要件があります。開業を考えている場合は、観光庁と登録先の自治体の案内で確かめてください。
試験の概要
受験資格はありません。年齢・学歴・実務経験を問わず、誰でも受けられます。
- 実施:一般社団法人全国旅行業協会(ANTA)
- 方式:CBT(パソコンで受ける方式)。全国のテストセンターから、日時と会場を選んで受験します
- 科目:旅行業法及びこれに基づく命令/旅行業約款、運送約款及び宿泊約款/国内旅行実務の3科目
- 試験時間:全科目を受ける場合は120分
- 受験手数料:8,000円(非課税)。このほかにシステム利用料660円(税込)
- 令和8年度:受験期間は2026年9月3日から9月25日まで、申込みは6月18日から7月15日まで
科目免除の制度があります。協会の研修を修了した場合、前年度に国内旅行実務で合格基準に達した場合(翌年度の試験に限ります)、地域限定試験の資格を持っている場合が対象です。法令と約款は、科目合格による免除の対象にはなりません。
合格基準は、合格者の発表にあわせて公表されます。日程・手数料・免除の条件は年度ごとに変わるので、受ける前に必ず公式の受験案内で確かめてください。
資格そのものに有効期限はなく、更新も必要ありません。ただし、営業所で選任されている人は、5年ごとに研修を受けることになっています。
勉強の始め方
3科目は性格が違います。旅行業法は登録や書面の決まりと数字、約款は取消料や補償の条件、国内旅行実務は運賃・料金の計算と観光地理が中心です。どれも覚える量そのものより、細かい条件を取り違えないことが問われます。
そのため、先に過去問を解いて、間違えたところを条文や約款で確かめていく形が取り組みやすくなっています。同じ論点が年度をまたいで繰り返し出るので、間違えた問題を覚えるまで解き直すのが確実です。
出典
この記事の内容は、次のページで確かめました。制度や日程は変わることがあるので、受験の手続きは必ず公式の案内でご確認ください。
- 観光庁「旅行業務取扱管理者」(2026-09-12 確認)
- 観光庁「旅行業法概要」(2026-09-12 確認)
- 全国旅行業協会「国内旅行業務取扱管理者試験とは」(2026-09-12 確認)
- 全国旅行業協会「国内旅行業務取扱管理者試験 受験案内」(2026-09-12 確認)
- 全国旅行業協会「よくある質問」(2026-09-12 確認)