国内旅行業務取扱管理者試験の合格率と難易度|年度別・年齢別の実績

著者:ebizuka/公開:2026-09-21/更新:2026-10-16

国内旅行業務取扱管理者試験の合格率は、令和8年度は28.6%で、令和2年度以降でいちばん低くなりました(令和7年度までは33〜43%)。全国旅行業協会が公表している令和2年度から令和8年度までの実績をもとに、合格率の推移、年齢別・職業別の状況、科目免除を使った人との差を整理しました。

合格率の推移(令和2年度〜令和8年度)

国内旅行業務取扱管理者試験の合格率は、全国旅行業協会が年度ごとに公表しています。直近7年度の全国集計(科目免除を使った人を含む合計)は次のとおりです。

年度申込者受験者合格者合格率
令和2年度14,26612,1464,57637.7%
令和3年度12,59810,5694,49842.6%
令和4年度10,3438,9453,12534.9%
令和5年度10,5158,9603,27036.5%
令和6年度13,31610,9433,66033.4%
令和7年度12,37610,3293,67535.6%
令和8年度13,00510,9823,13628.6%

※ 合格率は、合格者を受験者で割った協会の公表値です。

令和7年度までは33〜43%の間で動いていましたが、令和8年度は28.6%と、この7年度でいちばん低くなりました。3科目すべてを受けた人に限ると26.3%です。いちばん高い令和3年度の42.6%とは、14ポイントの差があります。合格率は年度によって大きく動くので、「今年は易しいはず」という前提で計画を立てないことが大切です。

申込者と受験者の差にも目を向けてください。令和8年度は13,005人が申し込み、実際に受けたのは10,982人でした。2,000人あまり、率にして約16%が受けていません。試験そのものより先に、受験日まで学習を続けられるかどうかで差がついている面があります。

なぜ3割前後にとどまるのか

合格の条件は、3科目それぞれで60点以上を取ることです。3科目とも100点満点なので、合計180点でも、1科目が59点なら不合格になります。

  • 旅行業法及びこれに基づく命令:100点(4点×25問)
  • 旅行業約款、運送約款及び宿泊約款:100点(4点×25問)
  • 国内旅行実務:100点(4点×12問、2点×26問)

※ 配点は令和8年度の「出題例の正解及び配点」(PDF)によるものです。令和5年度から令和7年度も同じ配点でした(各年度のPDFで確認)。令和8年度の合格点は、各科目とも60点以上でした。

得意な科目で苦手な科目を補えない、という一点が、この試験の難しさのほとんどを作っています。60点は4点問題なら15問正解、つまり4分の3を落とせません。「6割でいい」と聞くと易しく感じますが、3科目すべてで6割を超える必要がある、と読み替えてください。

逆に言えば、極端に難しい問題が出るわけではありません。合否を分けるのは、苦手な科目を最後まで放置するかどうかです。

年齢別に見ると、50代以上のほうが通っている

協会は年齢別の人数も公表しています。令和8年度の数字を、年代ごとに並べたものが次の表です。

年代申込者合格者合格者÷申込者
19歳以下2,047(15.8%)351(11.2%)17.1%
20〜24歳2,045(15.7%)460(14.7%)22.5%
25〜29歳1,553(12.0%)368(11.7%)23.7%
30〜39歳2,473(19.0%)605(19.3%)24.5%
40〜49歳2,190(16.8%)511(16.3%)23.3%
50〜59歳1,941(14.9%)576(18.4%)29.7%
60〜69歳679(5.2%)245(7.8%)36.1%
70歳以上77(0.6%)20(0.6%)26.0%

※ 括弧内は、申込者・合格者それぞれの中での構成比(協会の公表値)。右端はこちらで計算したもので、分母が受験者ではなく申込者のため、協会の公表する合格率(令和8年度は28.6%)より低く出ます。年代どうしの比較のために載せています。

目立つのは、50代と60代の右端の数字が高いことです。19歳以下が17.1%、20代前半が22.5%、30代・40代が23〜25%ほどであるのに対し、50代は29.7%、60代は36.1%です。構成比で見ても同じ傾向が出ています。50代は申込者の14.9%を占めていますが、合格者では18.4%を占めています。60代は5.2%に対して7.8%です。

同じ傾向は前の年度にも出ています。令和7年度は50代が申込者の13.9%に対して合格者の16.3%、60代は5.3%に対して8.2%。令和6年度は50代が13.7%に対して17.4%、60代は4.3%に対して6.4%でした。1年だけの偶然ではありません。

理由まではデータから読み取れませんが、若い世代には学生が多く、学校や職場の勧めで申し込む人が一定数いることが関係していそうです。少なくとも、「年齢が上だから不利な試験」ではないことははっきりしています。受験資格に年齢の制限もありません。

職業別:旅行業の経験は、思ったほど効かない

職業別の数字も公表されています。令和8年度の申込者のうち、旅行業に就いている人は2,023人(15.6%)でしたが、合格者では435人(13.9%)でした。構成比はむしろ少し下がっています。

いちばん多いのは会社員(旅行業・運送業・宿泊業・観光業以外)で、申込者の31.3%に対して合格者の37.8%。学生は申込者の27.9%に対して合格者の23.1%でした。

実務の経験があれば通る試験ではない、ということです。旅行業法も約款も、日々の仕事で意識しない条文や数字を問われます。経験のある人は約款の背景が分かるぶん理解が早い一方で、「現場ではこうしている」という感覚が条文と食い違うこともあります。

免除Aで受けた人の合格率は大きく上がる

協会の集計は、全科目を受ける人と、科目免除を使う人を分けて出しています。令和8年度は次のとおりでした。

  • 全科目受験(3科目・120分):受験者10,285人・合格者2,707人・合格率26.3%
  • 免除A(国内実務が免除・80分):受験者636人・合格者400人・合格率62.9%
  • 免除B(法令が免除・80分):受験者49人・合格者18人・合格率36.7%
  • 免除C(法令と国内実務が免除・40分):受験者12人・合格者11人・合格率91.7%

免除Aで受けた人の合格率は、全科目受験の2倍を超えています(令和7年度も60.2%対34.1%でした)。ただし免除B・Cは対象者が数十人・十数人と非常に少なく、免除Bは令和7年度の60.9%から36.7%に動いています。割合だけを見て判断しないでください。数として意味があるのは、全科目受験と免除Aの比較です。

国内旅行実務は計算と観光地理で範囲が広く、ここが免除されるかどうかで負担がはっきり変わります。条件に当てはまる人は使わない手はありません。詳しくは科目免除の条件にまとめています。

この数字をどう受け止めるか

合格率3割前後という数字は、落ちる人のほうが多い試験であることを示しています。一方で、難関資格のように何年もかけて挑むたぐいの試験でもありません。出題範囲は決まっていて、同じ論点が年度をまたいで繰り返し問われます。

数字から読み取れる、現実的な進め方は次の3つです。

  • 3科目を均等に。1科目でも60点を切れば不合格なので、得意な科目を伸ばすより、苦手な科目を60点台に乗せるほうが確実です。
  • 受験日まで続ける。申し込んだ人の約16%は受けていません。まず受験まで到達することが、最初の関門です。
  • 使える免除は使う。免除Aで受けた人の合格率は、全科目受験の2倍を超えています。

勉強時間の目安や具体的な進め方は独学での勉強法と勉強時間の目安に、日程と申込の手順は試験日程・申込方法・受験手数料にまとめています。

旅夢中で過去問を解く

過去問6年分527問とオリジナル問題144問を、すべて解説つきで収録しています。科目別・年度別の演習、本番と同じ形式の模擬試験、間違えた問題の復習リストを、いまは無料で使えます。

無料で始める

登録せずに試したい場合は、トップページからゲストとして始められます。

出典

この記事の内容は、次のページで確かめました。制度や日程は変わることがあるので、受験の手続きは必ず公式の案内でご確認ください。

ほかの記事