国内旅行業務取扱管理者試験の合格率と難易度|年度別・年齢別の実績
公開:2026-09-21
国内旅行業務取扱管理者試験の合格率は、ここ数年おおむね33〜43%で推移しています。全国旅行業協会が公表している令和2年度から令和7年度までの実績をもとに、合格率の推移、年齢別・職業別の状況、科目免除を使った人との差を整理しました。
合格率の推移(令和2年度〜令和7年度)
国内旅行業務取扱管理者試験の合格率は、全国旅行業協会が年度ごとに公表しています。直近6年度の全国集計(科目免除を使った人を含む合計)は次のとおりです。
| 年度 | 申込者 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 令和2年度 | 14,266 | 12,146 | 4,576 | 37.7% |
| 令和3年度 | 12,598 | 10,569 | 4,498 | 42.6% |
| 令和4年度 | 10,343 | 8,945 | 3,125 | 34.9% |
| 令和5年度 | 10,515 | 8,960 | 3,270 | 36.5% |
| 令和6年度 | 13,316 | 10,943 | 3,660 | 33.4% |
| 令和7年度 | 12,376 | 10,329 | 3,675 | 35.6% |
※ 合格率は、合格者を受験者で割った協会の公表値です。
おおむね33〜43%の間で動いています。令和3年度の42.6%が高く、令和6年度の33.4%が低いという形で、年度によって10ポイントほどの幅があります。3年に1度くらいは合格率が下がる年がある、という見方をしておくと、「今年は易しいはず」という前提で計画を立てずに済みます。
申込者と受験者の差にも目を向けてください。令和7年度は12,376人が申し込み、実際に受けたのは10,329人でした。2,000人あまり、率にして約17%が受けていません。試験そのものより先に、受験日まで学習を続けられるかどうかで差がついている面があります。
なぜ3割台で落ち着くのか
合格の条件は、3科目それぞれで60点以上を取ることです。3科目とも100点満点なので、合計180点でも、1科目が59点なら不合格になります。
- 旅行業法及びこれに基づく命令:100点(4点×25問)
- 旅行業約款、運送約款及び宿泊約款:100点(4点×25問)
- 国内旅行実務:100点(4点×12問、2点×26問)
※ 配点と合格点は令和5年度の「正解及び配点」(PDF)によるものです。
得意な科目で苦手な科目を補えない、という一点が、この試験の難しさのほとんどを作っています。60点は4点問題なら15問正解、つまり4分の3を落とせません。「6割でいい」と聞くと易しく感じますが、3科目すべてで6割を超える必要がある、と読み替えてください。
逆に言えば、極端に難しい問題が出るわけではありません。合否を分けるのは、苦手な科目を最後まで放置するかどうかです。
年齢別に見ると、40代以上のほうが通っている
協会は年齢別の人数も公表しています。令和7年度の数字を、年代ごとに並べたものが次の表です。
| 年代 | 申込者 | 合格者 | 合格者÷ |
|---|---|---|---|
| 19歳以下 | 1,915(15.5%) | 386(10.5%) | 20.2% |
| 20〜24歳 | 2,214(17.9%) | 594(16.2%) | 26.8% |
| 25〜29歳 | 1,385(11.2%) | 404(11.0%) | 29.2% |
| 30〜39歳 | 2,318(18.7%) | 712(19.4%) | 30.7% |
| 40〜49歳 | 2,094(16.9%) | 643(17.5%) | 30.7% |
| 50〜59歳 | 1,716(13.9%) | 601(16.3%) | 35.0% |
| 60〜69歳 | 657(5.3%) | 302(8.2%) | 46.0% |
| 70歳以上 | 77(0.6%) | 33(0.9%) | 42.9% |
※ 括弧内は、申込者・合格者それぞれの中での構成比(協会の公表値)。右端はこちらで計算したもので、分母が受験者ではなく申込者のため、協会の公表する合格率(令和7年度は35.6%)より低く出ます。年代どうしの比較のために載せています。
目立つのは、年代が上がるほど右端の数字が高くなっていることです。19歳以下が20.2%、20代前半が26.8%であるのに対し、50代は35.0%、60代は46.0%です。構成比で見ても同じ傾向が出ています。50代は申込者の13.9%を占めていますが、合格者では16.3%を占めています。60代は5.3%に対して8.2%です。
同じ傾向は令和6年度にも出ています。50代は申込者の13.7%に対して合格者の17.4%、60代は4.3%に対して6.4%でした。1年だけの偶然ではありません。
理由まではデータから読み取れませんが、若い世代には学生が多く、学校や職場の勧めで申し込む人が一定数いることが関係していそうです。少なくとも、「年齢が上だから不利な試験」ではないことははっきりしています。受験資格に年齢の制限もありません。
職業別:旅行業の経験は、思ったほど効かない
職業別の数字も公表されています。令和7年度の申込者のうち、旅行業に就いている人は1,821人(14.7%)でしたが、合格者では499人(13.5%)でした。構成比はむしろ少し下がっています。
いちばん多いのは会社員(旅行業・運送業・宿泊業・観光業以外)で、申込者の31.4%に対して合格者の36.8%。学生は申込者の30.0%に対して合格者の23.7%でした。
実務の経験があれば通る試験ではない、ということです。旅行業法も約款も、日々の仕事で意識しない条文や数字を問われます。経験のある人は約款の背景が分かるぶん理解が早い一方で、「現場ではこうしている」という感覚が条文と食い違うこともあります。
科目免除を使った人の合格率は大きく上がる
協会の集計は、全科目を受ける人と、科目免除を使う人を分けて出しています。令和7年度は次のとおりでした。
- 全科目受験:受験者9,759人・合格者3,330人・合格率34.1%
- 免除A:受験者518人・合格者312人・合格率60.2%
- 免除B:受験者46人・合格者28人・合格率60.9%
- 免除C:受験者6人・合格者5人・合格率83.3%
免除を使うと合格率がおよそ2倍になります。ただし免除B・Cは対象者が数十人・数人と非常に少ないので、割合だけを見て判断しないでください。数として意味があるのは、全科目受験と免除Aの比較です。
国内旅行実務は計算と観光地理で範囲が広く、ここが免除されるかどうかで負担がはっきり変わります。条件に当てはまる人は使わない手はありません。詳しくは科目免除の条件にまとめています。
この数字をどう受け止めるか
合格率3割台という数字は、落ちる人のほうが多い試験であることを示しています。一方で、難関資格のように何年もかけて挑むたぐいの試験でもありません。出題範囲は決まっていて、同じ論点が年度をまたいで繰り返し問われます。
数字から読み取れる、現実的な進め方は次の3つです。
- 3科目を均等に。1科目でも60点を切れば不合格なので、得意な科目を伸ばすより、苦手な科目を60点台に乗せるほうが確実です。
- 受験日まで続ける。申し込んだ人の約17%は受けていません。まず受験まで到達することが、最初の関門です。
- 使える免除は使う。条件に当てはまるなら、合格率は約2倍になります。
勉強時間の目安や具体的な進め方は独学での勉強法と勉強時間の目安に、日程と申込の手順は試験日程・申込方法・受験手数料にまとめています。
出典
この記事の内容は、次のページで確かめました。制度や日程は変わることがあるので、受験の手続きは必ず公式の案内でご確認ください。
- 全国旅行業協会「令和7年度 国内旅行業務取扱管理者試験 実施結果一覧表」(PDF)(2026-09-21 確認)
- 全国旅行業協会「令和6年度 国内旅行業務取扱管理者試験 実施結果一覧表」(PDF)(2026-09-21 確認)
- 全国旅行業協会「令和5年度 国内旅行業務取扱管理者試験 実施結果一覧表」(PDF)(2026-09-21 確認)
- 全国旅行業協会「令和3年度 国内旅行業務取扱管理者試験 実施結果一覧表」(PDF。令和2年度の数字も掲載)(2026-09-21 確認)
- 全国旅行業協会「令和5年度 国内旅行業務取扱管理者試験(正解及び配点)」(PDF。配点と合格点)(2026-09-21 確認)
- 全国旅行業協会「各年度の実施状況、問題と解答、合格者受験番号」(2026-09-21 確認)