国内旅行業務取扱管理者の独学での勉強法と、勉強時間の目安
公開:2026-09-15
国内旅行業務取扱管理者試験を独学で目指すときの勉強時間の目安(約200時間)、科目ごとの配点と特徴、3か月で進める場合の例、過去問の使い方、計算問題と試験当日の注意を、公式情報の出典つきでまとめました。
独学で目指せる試験か
受験資格はなく、誰でも受けられます。解答はア〜エの選択肢から選ぶ形式で、合格点は各科目とも60点以上です(令和5年度の正解及び配点)。令和7年度の全科目受験の合格率は34.1%(受験者9,759人・合格者3,330人)でした。
試験を実施する全国旅行業協会(ANTA)は、公の立場から特定の書籍や教材を紹介していません。そのため教材は自分で選ぶことになりますが、過去の試験の問題(出題例)と正解は協会のサイトで公開されています。市販のテキストと過去問を組み合わせれば、独学でも準備を進められます。
年齢を問わず挑戦されている試験でもあります。令和7年度の合格者3,675人のうち、40歳以上は1,579人(約43%)でした。
資格そのものの内容(営業所ごとに選任する決まりや、法律で定められた職務)は、国内旅行業務取扱管理者とは?にまとめています。
勉強時間の目安は約200時間
公式に示された勉強時間の目安はありません。通信講座や学習サイトでは、約200時間、1日2時間ほどの勉強で3か月程度が目安として紹介されています。独学の場合は、さらに時間に余裕を持つよう勧められています。
200時間を、1日に使える時間に置きかえると次のようになります。
- 1日2時間:100日(約3か月強)
- 平日1時間・土日に各3時間(週11時間):約18週(4か月強)
- 1日1時間:200日(約6か月半)
旅行会社や宿泊・運送の仕事の経験がある人は、約款や運賃の考え方になじみがあるぶん短くなりやすく、はじめて学ぶ人や計算に苦手意識がある人は長めに見込んでおくと安心です。
令和8年度の試験は、申込みが6月18日から7月15日まで、受験期間が9月3日から9月25日まででした。例年この時期であれば、申込みの頃に始めて3か月弱になります。日程は年度ごとに変わるので、公式の受験案内で必ず確かめてください。
科目ごとの配点と特徴
3科目とも100点満点です。令和5年度の配点は次のとおりでした。
- 旅行業法及びこれに基づく命令(4点×25問):登録の制度、営業保証金と弁済業務保証金、旅行業務取扱管理者、取引条件の説明と書面、広告の決まりなど。日数や金額などの数字が多く出ます。
- 旅行業約款、運送約款及び宿泊約款(4点×25問):標準旅行業約款(取消料・旅程保証・特別補償など)に加え、JR・航空・貸切バス・フェリーの運送約款と、宿泊約款が範囲です。
- 国内旅行実務(4点×12問、2点×26問):運賃・料金の計算と、観光地理(温泉・世界遺産・国立公園・祭りなど)が中心です。
合格点は科目ごとに決まっているので、1科目でも60点に届かなければ合格になりません。得意な科目で点数を補うことはできないため、苦手な科目を残さないことが大切です。
3か月で進める場合の例
1日2時間ほど使える場合の進め方の一例です。仕事や生活に合わせて、期間は調整してください。
- 1か月目:旅行業法と約款。テキストを最後まで読んでから問題を解くより、1つの項目を読んだらすぐにその項目の問題を解き、答え合わせをして戻る形のほうが覚えやすくなります。
- 2か月目:国内旅行実務。運賃・料金の計算は、例題を自分の手で計算して手順を覚えます。観光地理は、地図で場所を確かめながら、名所と都道府県を結びつけて覚えます。
- 3か月目:過去問の総仕上げ。年度ごとに、本番と同じく時間を計って解きます。間違えた問題は、正解できるようになるまで解き直します。
旅行業法と約款は、似た言葉の制度(募集型企画旅行と受注型企画旅行、営業保証金と弁済業務保証金など)が多い科目です。先に2科目を並べて学ぶと、違いを比べながら覚えられます。
過去問の使い方
- 正解の選択肢を当てるだけでなく、ほかの選択肢がなぜ誤りなのかを説明できるようにします。同じ論点が、言い回しや数字を変えて出されます。
- 間違えた問題には印をつけ、日をおいて解き直します。続けて正解できるようになったら、覚えたと考えてよいでしょう。
- 日数・金額・割合などの数字は、関係する制度ごとに表にまとめると取り違えにくくなります。
- 「正しいもの」と「誤っているもの」を選ぶ問題、「すべて選ぶ」問題が混ざっています。問題文の指示を最後まで読む習慣をつけます。
全国旅行業協会のサイトでは、年度ごとの問題(CBT方式になってからは出題例)と正解が公開されています。法令や約款は改正されることがあるので、古い年度の問題は、今の決まりと違っていないかに気をつけて使ってください。
科目ごとの問題を、正解と解説つきで練習問題として公開しています。登録しなくても解けるので、試しに解いてみてください。
計算問題と試験当日の注意
試験では、電卓などの計算機器を使えません。腕時計や筆記用具も持ち込めません。運賃・料金の計算は、ふだんから電卓を使わずに解いて慣れておきます。
試験時間は、全科目を受ける場合で120分です。時計を持ち込めないぶん、過去問を解くときに時間を計り、1科目にかける時間の感覚をつかんでおくと当日あわてずに済みます。
科目の免除制度も、勉強の計画に使えます。前年度の試験で国内旅行実務が合格基準に達していた場合は、翌年度の試験に限り、その科目が免除されます。協会の研修を修了した場合の免除もあります。条件は年度ごとに受験案内で確かめてください。
出典
この記事の内容は、次のページで確かめました。制度や日程は変わることがあるので、受験の手続きは必ず公式の案内でご確認ください。
- 全国旅行業協会「国内旅行業務取扱管理者試験 受験案内」(2026-09-14 確認)
- 全国旅行業協会「よくある質問」(2026-09-14 確認)
- 全国旅行業協会「各年度の実施状況、問題と解答、合格者受験番号」(2026-09-14 確認)
- 全国旅行業協会「令和5年度 国内旅行業務取扱管理者試験(正解及び配点)」(PDF)(2026-09-14 確認)
- 全国旅行業協会「令和7年度 国内旅行業務取扱管理者試験 実施結果一覧表」(PDF)(2026-09-14 確認)
- フォーサイト「旅行業務取扱管理者を独学で勉強するポイントとは?」(2026-09-14 確認)
- スキルアップ研究所(学研)「旅行業務取扱管理者は独学できる?」(2026-09-14 確認)