約款「手配旅行と運送・宿泊」の練習問題と解説

約款練習問題5更新:2026-09-21

手配旅行契約の性質、JRの片道普通乗車券の有効期間、貸切バスの運賃の算定、国内線の運送約款、モデル宿泊約款。企画旅行との違いを軸に、運送機関と宿泊の約款の要点を整理し、練習問題5問を付けました。

この単元で問われること

企画旅行以外の約款です。旅行業者が結ぶ手配旅行契約と、実際に運んだり泊めたりする事業者の約款(JR・貸切バス・航空・宿泊)が対象になります。

出題のかたちは大きく2つです。ひとつは「企画旅行と何が違うか」を聞くもの、もうひとつは有効期間や算定方法のような決まりをそのまま聞くものです。前者は制度の理解で、後者は数字と範囲の暗記で対応します。

手配旅行契約:手配を終えれば債務は果たしている

手配旅行では、旅行業者は、善良な管理者の注意をもって旅行サービスの手配をする債務を負います。負っているのは「手配する」義務であって、「旅行が予定どおり行われる」ことを約束する義務ではありません。

ここから、次の結論が出ます。

  • 手配を完了したときは、旅行サービスの提供を受けられなかった場合でも、旅行業務取扱料金を収受できる
  • 旅行者は、いつでも所定の取消料等を支払って契約を解除できる
  • 特別補償・旅程保証は適用されない(どちらも企画旅行契約に固有の制度)

3つ目が最頻出です。募集型企画旅行の単元で特別補償と旅程保証を覚えたあとに、「手配旅行にも適用される」という選択肢を見ると、つい選びたくなります。企画旅行は旅行業者が計画を作るから手厚く、手配旅行は旅行者の求めに応じて手配するだけ、という違いから考えると間違えません。

JRの片道普通乗車券:100kmで1日、以降200kmごと

片道普通乗車券の有効期間は、営業キロで決まります。

  • 営業キロ100キロメートルまで:1日
  • 営業キロ200キロメートルまで:2日
  • これを超える場合は、200キロメートルを増すごとに1日を加算

最初の刻みだけ100キロメートルで、そのあとは200キロメートルごとになる点に注意してください。「一律2日」「200キロメートルまで3日」のような選択肢は、この刻み方を崩したものです。

貸切バスの運賃:時間制と距離制を合算する

一般貸切旅客自動車運送事業の運賃は、時間制運賃と距離制運賃を合算して算定します。どちらか一方ではありません。

算定に含める範囲が、そのまま出題されます。

  • 点呼・点検に要する時間も算定に含む
  • 回送に要する時間と距離も算定に含む(実車の分だけではない)
  • 額は事業者が定めて届け出たものによる(旅行業者が任意に定めることはできない)

「含めないもの」を探す問題として出ることが多い単元です。実車の前後にも時間と距離がかかっている、と現場の動きで思い出すと落としません。実際に数字を当てはめる計算問題は、国内旅行実務の運賃・料金の計算で扱います。

国内線の運送約款:幼児は大人1人につき1人まで無償

国内の航空運送に適用される運送約款では、次の点が問われます。

  • 座席を使用しない幼児は、同伴する大人1人につき1人まで無償で運送される
  • 小児には、年齢に応じた小児運賃が適用される(年齢の定めがない、ではない)
  • 受託手荷物には、無料で預けることができる重量等の範囲の定めがある

「大人1人につき1人まで」という条件は、計算問題でもそのまま使います。大人2名に幼児2名なら2名とも無償ですが、大人1名に幼児2名なら1名分は無償になりません。

モデル宿泊約款:契約はホテルが承諾したときに成立

宿泊契約は、ホテルが宿泊の申込みを承諾したときに成立します。申し込んだ時点でも、到着した時点でもありません。

承諾があった後は、所定の期日までに申込金を支払います。ただし、ホテルが申込金の支払を要しないとする特約に応じた場合は、その支払は要りません。したがって「申込金を受領しない限り契約は成立しない」も誤りです。

申込み → ホテルの承諾(ここで成立)→ 所定の期日までに申込金(特約があれば不要)

契約がいつ成立するかは、ほかの約款でも繰り返し問われる考え方です。申込みは「こちらの意思表示」、承諾は「相手の意思表示」で、両方そろって契約になる、と整理しておいてください。

練習問題(5問)

旅夢中のオリジナル問題です。過去の試験問題そのものではなく、試験の出題範囲にあわせて作っています。正解と解説は、自分で答えを決めてから開いてください。

1手配旅行契約

手配旅行契約に関する次の記述のうち、正しいものをすべて選びなさい。

  • 旅行業者は、善良な管理者の注意をもって旅行サービスの手配をする債務を負う。
  • 旅行業者が手配を完了したときは、旅行サービスの提供を受けられなかった場合でも旅行業務取扱料金を収受することができる。
  • 旅行者は、いつでも所定の取消料等を支払って契約を解除することができる。
  • 特別補償及び旅程保証の規定が適用される。
正解と解説を見る

正解:ア・イ・ウ

解説

手配旅行では旅行業者は手配債務を負い、手配を完了すれば債務を履行したことになります。特別補償や旅程保証は企画旅行契約に固有の制度で、手配旅行契約には適用されません。

AI解説(正解を選んだときの解説)

正解はア・イ・ウで、正しく選べています。

アは正しい記述です。手配旅行契約における旅行業者の義務は、旅行サービスの手配を善良な管理者の注意をもって行うことであり、結果として旅行サービスの提供が実現することまでは保証していません。

イも正しい記述です。旅行業者が手配を完了すれば債務の履行が完了したことになるため、旅行者が実際にサービスの提供を受けられなかったとしても、旅行業務取扱料金を収受できます。

ウも正しい記述です。旅行者はいつでも契約を解除できますが、既に発生している取消料等の実費相当額を支払う必要があります。

エは誤りです。特別補償及び旅程保証は企画旅行契約に固有の制度であり、旅行業者が主体的に旅行計画を作成する企画旅行契約にのみ適用されます。手配旅行契約では旅行業者は手配のみを行うため、これらの規定は適用されません。

あわせて、企画旅行契約と手配旅行契約では旅行業者が負う責任の範囲が異なる点を、条文単位で整理して覚えておくと理解が深まります。

2JRの片道普通乗車券の有効期間

JRの片道普通乗車券の有効期間に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • 営業キロが100キロメートルまでの場合は1日である。
  • 営業キロにかかわらず、一律2日である。
  • 営業キロが200キロメートルまでの場合は3日である。
  • 営業キロが400キロメートルまでの場合は5日である。
正解と解説を見る

正解:

解説

片道普通乗車券の有効期間は、営業キロ100キロメートルまでが1日、200キロメートルまでが2日で、これを超える場合は200キロメートルを増すごとに1日が加算されます。

AI解説(正解を選んだときの解説)

アは正しい記述です。片道普通乗車券の有効期間は営業キロ100キロメートルまでの場合1日と定められており、営業キロが増えるごとに有効期間も延びていく仕組みになっています。

イは誤りです。有効期間は営業キロにかかわらず一律ではなく、距離に応じて日数が変わる仕組みになっているため、一律2日という記述は規定と異なります。

ウは誤りです。既存の解説にある通り、営業キロ200キロメートルまでの場合の有効期間は2日であり、3日という記述は規定と異なります。

エは誤りです。有効期間は200キロメートルを増すごとに1日が加算される仕組みであるため、400キロメートルまでの場合に5日とする記述は規定と異なります。

あわせて、有効期間の起算や加算のルールは片道・往復・連続乗車券で共通して問われやすいため、100キロメートルごとではなく200キロメートルごとに1日加算される点を正確に覚えておくとよいでしょう。

3貸切バスの運賃の算定

一般貸切旅客自動車運送事業の運賃の算定に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • 運賃は、時間制運賃と距離制運賃を合算して算定する。
  • 運賃は、実車距離のみをもとに算定する。
  • 回送に要する時間及び距離は、運賃の算定に含めない。
  • 運賃は、旅行業者が任意に定めることができる。
正解と解説を見る

正解:

解説

貸切バスの運賃は時間制運賃と距離制運賃を合算して算定します。点呼・点検に要する時間や回送に要する時間・距離も算定の対象に含まれ、額は事業者が定めて届け出たものによります。

AI解説(正解を選んだときの解説)

一般貸切旅客自動車運送事業の運賃は、走行時間に応じた時間制運賃と走行距離に応じた距離制運賃を合算して算定する仕組みになっており、アが正しい内容です。点呼・点検等に要する時間や回送に要する時間・距離も算定に含める点も押さえておく必要があります。

イは誤りです。実車距離のみで算定するのではなく、時間の要素も加えて算定するため、距離だけを基準とする説明は正確ではありません。

ウも誤りです。回送に要する時間及び距離は運賃の算定対象に含まれるため、含めないとする記述は規定と異なります。

エも誤りです。運賃は旅行業者が任意に定めるものではなく、貸切バス事業者があらかじめ定めて届け出た運賃によることとされています。

関連知識として、貸切バスの運賃は認可制ではなく事前届出制であり、下限を下回るような不当な運賃設定は認められていない点も覚えておくとよいでしょう。

4国内線の運送約款(幼児の運賃など)

国内の航空運送に適用される運送約款に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • 座席を使用しない幼児は、同伴する大人1人につき1人まで無償で運送される。
  • 幼児は、座席を使用しない場合であっても大人と同額の運賃を要する。
  • 小児運賃の適用を受ける年齢についての定めはない。
  • 受託手荷物には、無料で預けることができる範囲の定めがない。
正解と解説を見る

正解:

解説

座席を使用しない幼児は、同伴する大人1人につき1人まで無償で運送されます。小児には年齢に応じた小児運賃が適用され、受託手荷物にも無料で預けられる重量等の範囲が定められています。

AI解説(正解を選んだときの解説)

アが正しいのは、座席を使用しない幼児について、同伴する大人1人につき1人まで無償で運送されるという定めがあるためです。座席を使用する場合や2人目以降の幼児については、この扱いにはなりません。

イは誤りです。座席を使用しない幼児であれば運賃は無償とされており、大人と同額の運賃を要するという内容は規定と異なります。

ウは誤りです。小児運賃の適用については年齢による定めが設けられており、年齢の定めがないという内容は誤りです。

エは誤りです。受託手荷物についても無料で預けられる範囲が定められており、定めがないという内容は誤りです。

関連知識として、運送約款では幼児・小児の運賃や手荷物の取り扱いについて年齢や重量などの具体的な基準が細かく定められている点を押さえておくとよいでしょう。

5モデル宿泊約款の宿泊契約の成立

モデル宿泊約款に基づく宿泊契約の成立に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。

  • 宿泊契約は、ホテルが宿泊の申込みを承諾したときに成立する。
  • 宿泊契約は、宿泊しようとする者が申込みをした時点で成立する。
  • 宿泊契約は、宿泊客がホテルに到着した時に成立する。
  • 申込金を受領しない限り、宿泊契約が成立することはない。
正解と解説を見る

正解:

解説

宿泊契約はホテルが申込みを承諾したときに成立します。承諾後は所定の期日までに申込金を支払いますが、ホテルが申込金の支払を要しないとする特約に応じた場合は、その支払を要しません。

AI解説(正解を選んだときの解説)

アが正しいのは、モデル宿泊約款において宿泊契約はホテル側が宿泊の申込みを承諾した時点で成立すると定められているためです。申込みはあくまで契約の申込み行為にすぎず、ホテル側の承諾という意思表示があって初めて契約関係が発生します。

イは、申込みをした時点ではまだホテル側の承諾がなく、契約は未成立のため誤りです。申込みは契約の一方的な意思表示にすぎません。ウは、宿泊客の到着はすでに成立している契約の履行段階の話であり、契約成立の要件とは無関係なため誤りです。エは、申込金の受領は契約成立の要件ではなく、ホテルが申込金の支払を要しないとする特約に応じた場合には支払われなくても契約は成立するため誤りです。

あわせて、申込金の支払期日をホテルが指定し、その期日までに支払われない場合は契約が効力を失う旨の規定がある点も押さえておくとよいでしょう。

「AI解説」は、旅夢中のアプリでこの問題に正解したときに表示される解説です。AIが作成したもので、誤りが含まれる可能性があります。お気づきの点はお問い合わせからお知らせください。

旅夢中でほかの問題も解く

過去問5年分439問とオリジナル問題88問を、すべて解説つきで収録しています。科目別・年度別の演習、本番と同じ形式の模擬試験、間違えた問題の復習リストを、無料で使えます。

無料で始める

登録せずに試したい場合は、トップページからゲストとして始められます。

ほかのテーマ